これが“集団的自衛権”を巡る従来の政府解釈だったんだ。~憲法改正・憲法解釈変更議論の基礎の基礎の基礎 (8)~
2014年9月2日- RIE
- Taka先輩、買ってきました。
カールのチーズ味とチーズビットです。
どっちがいいですか? - Taka
- どっちもチーズ味かぁ~~。
別の味から選びたかったなぁ~! - RIE
- RIEがチーズ好きなもので思わず2つともチーズ味になっちゃいました。
ごめんなさいです。 - Taka
- まっいっか。
- RIE
- どっちも美味しいんで、どうぞどうぞ!
- Taka
- さて、
憲法9条の解釈について従来、政府がどういう解釈をしてきたかだけど、
参議院決算委員会(昭和47年10月14日)に提出された資料(集団的自衛権と憲法との関係)が政府解釈を詳しく述べているのでそれを見てみよう(阪田雅裕『政府の憲法解釈』<有斐閣、2013年>55頁)。
「・・・わが国がみずからの存立を全うし国民が平和のうちに生存することまでも放棄していないことは明らかであって、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとはとうてい解されない。」
として日本国に自衛権があることをまず肯定しているんだ。 - RIE
- そうなんですね。
なんか聞いたことあります。 - Taka
- で、これに続けて、
「しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が、右にいう自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであって、それは、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権限が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るための止むを得ない措置としてはじめて容認されるものであるから、その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである。」
としている。
つまり、個別的自衛権を日本国は持っているが、その行使要件は、- 外国からわが国への急迫不正の武力攻撃があること
- その攻撃を排除するために他に適当な手段がないこと
- 排除措置は必要最小限度にとどまること
ということになるんだ。
いわゆる“三要件”だね。 - RIE
- はぁ。
- Taka
- ついてきている?
刑法の正当防衛とか緊急避難の議論に似ているんだけど・・・ - RIE
- 大丈夫です。
とてもついていけてます! - Taka
- (・・・変な言い方)
この“三要件”からすると、当然次のような結論になる。
「そうだとすれば、わが憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない。」
これが“集団的自衛権”を巡る従来の政府解釈だったんだ。 - RIE
- なるほどです!
Taka先輩よく知っていますね。 - Taka
- ロースクールのレポートで1回平和主義について宿題があったからね。
その時に勉強したんだ。 - RIE
- 真面目なんですね。
- Taka
- そうかなぁ?
ロー生は基本真面目だからね。 - RIE
- RIEには無理だと思います。
- Taka
- そう?
ローに進学したいなら相談のるよ。 - RIE
- そういうことがあればお願いします。
ただ、地球が逆回転してもRIEがロースクールに行こうと思うことはないと思いますけど。
---次話へ続く---