内閣の番犬化法案?-検察庁法改正を巡って-
2020年5月12日
政治関連のネタでこんなに騒がれるのも珍しいよな。
だから政府の本音を探ろうとしても仕方がない。
ここでは、改正案の内容がどういう影響をもたらすか?を理解することが重要だろうな。
どうせ時間ありますから教えてください。
ですから、検察庁法改正の勉強をします。
お願いします!
味覚おこちゃまですからね。
今回の検察庁法改正が三権分立に反するという意見があるが、そもそも三権とは何だ?
そもそも三権分立とは、立法権、行政権と司法権がそれぞれ別の国家機関に帰属し、異なる人がそれぞれの権限を担うという、権限分離と人的分離を定める考え方だ。
そうであれば、三権分立違反とは、内閣が国会の権限を奪うとか(内閣が立法するとか)、国会が裁判をするとかの場合となる。内閣内部でどういう権原分配をするかは三権分立に直ちに違反するとは言えない面がある。
じゃあ、今回の検察庁法改正は問題ないってことですか(怒)?
どうぞ続けてください!
検察官は公訴権を有している(刑事訴訟法247条)。簡単に言えば、公訴とは、被疑者がある罪を犯したと考えるからその被疑者を処罰してくれと言って、裁判所に訴えることだ。
その点で、検察官は、司法権に不可欠な役割を果たしている。だから検察官は、準司法機関とも呼ばれるんだ。決して純粋な行政官ではない。
そこの理解がポイントだ。
ということは、検察官を内閣の手下にすることを可能とするような法改正-今回の改正はたしか、内閣の判断で検事正とかの定年延長を可能にする内容でしたね-は、内閣が司法権にちょっかいを出すという面があり、それが三権分立に反するというわけですね。
検察官が準司法機関であるというのは、他にも根拠がある。
検察官になるための主たる道は、司法試験に合格して司法修習を終えることだ(検察庁法18条1項1号)。
司法修習生は実は司法試験に合格した後、最高裁判所に採用され(裁判所法66条1項)、最高裁判所から修習給付金を支給されるんだ(裁判所法67条の2)。司法修習終了後に裁判官になる者や弁護士になる者もいるし、検察官になる者もいる。検察官が純行政官であるというなら内閣が司法修習生の修習をし、給付金を出すべきだが、今の法制度ではそうはなっていない。
それは、検察官が純行政官ではなく、司法機関としての性質を有しているからだ。
だからこそ、内閣が検察官の定年を内閣の判断で伸ばせるように法改正をすることは、検察官の職務に(内閣に有利になるような権限行使、不行使をする形で)重大な影響を与え、司法権の独立を害するということになる。
あ、でもニュースで、元検察官という方が、改正案でも検察官は変わらないと言ってました。
ほんとですかね?
検察官も人間だから、少しでも定年が伸びるのなら内閣に有利になるように検察権を行使しよっかなぁって考えると思うんですけど?
証拠があって起訴することができるのに内閣のお友達だから起訴しなかったんだ、みたいな疑念ですよね。最近も似た事件がありましたけど(怒)。
国民から見た検察権行使の公正さは重要だ。
裁判官には政治的中立性が求められている。
裁判官は「独立してその職権を行」うことが要請されているが(憲法76条3項)、職権行使の独立が認められることから論理的に中立性が求められる。政治的中立性とかだ。裁判所法52条では、裁判官の政治運動が禁止されている。
スイスはたしか永世中立国で、どの国とも一定の距離を取って国際社会を生きてきているわけですよね。
どの国とも距離を取るわけだから、日本にとってのアメリカのような同盟国を持たない。それゆえ、自国の独立性を維持するために強力な軍隊を保有している。軍隊の善し悪しはさておき、スイスは武装による中立国家なわけだ。
だから中立性が要求される裁判官はその中立性を維持するためにとても大変な私生活を送っているんだ。
世俗と交わることを極力避けるとか…
まぁ、どこまで本当かはわからないが、意識としては中立性を保持しないとという意識が強いらしい。
良かったよ。RIEが裁判官だったら大変なことになっていたはず。
寺西判事補事件で最高裁は、裁判官の中立・公正に対する国民の信頼という議論を持ち出している。
これは裁判官は、国民から政治的中立性を疑われるような行為をしてはいけない、ということだ。
疑われてもいけないというわけだから裁判官は政治にかんすることはもう何もすることができないといっても過言ではない。
それくらいの規制の下で仕事をするのが裁判官なんだ。
法改正によっても個々の検察官の仕事に影響がないとしても、起訴不起訴をめぐって国民が検察権の行使に疑念を持つ事件は必ず出てくる。
内閣のお友達だから起訴しなかったみたいな。
政治的中立性を維持して政治家をも起訴する権限を持つ検察官が政治家の目の色をうかがって仕事をする事態になれば日本は終わりだし、個々の検察官が政治家の目の色をうかがうことはないとしても、国民の信頼は失われていくことが考えられるからいずれにしろ日本に良いことはない。
無茶な論理だもん。
しかも、検察庁法改正案を国家公務員法の一部を改正する法律案として衆議院に提出している。
これは検察官を一般の公務員と同列に扱うことを前提とするんだが、その前提も間違っている。
検察官は、純粋な行政官ではないから検察庁法を純粋な行政官についての法律である国家公務員法の改正案として提出することはできない。
なぜ、検察庁法が国家公務員法とは別の法律として制定されたのかという検察庁法の趣旨を全無視する暴挙といえる。
要は、検察官の準司法機関としての地位を内閣は否定して、内閣の番犬にしたわけだ。
一番怒るべきは検察官だがな。
論理的に怒ってる。
先生らしいといえば先生らしいですが。
まぁ、検察官が内閣の番犬となってもRIEは巨悪と闘います。
RIEは武闘派、先生は頭脳派です。
役割分担です。
勝負しますか?
指相撲ですから(笑)
…
(アホか)
---次話へ続く---
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