ダーウィンはそうはいっていません
2020年6月25日目次
☆四コマ
☆四コマの論理
この四コマの論理は次のようになっています。
論理1:ダーウィンは、変化できる者が生き残ると主張している。
論理2:日本が発展する(生き残る)には、憲法改正が必要である。
です。
それぞれについて検討したいと思います。
☆論理1について
ダーウィンの主張は?
ダーウィンの著書「種の起源」は有名です。ダーウィンがこの本を著した意図は、
おのおのの種は個々に創造されたものだという見解
を否定する点にありました(ダーウィン著、八杉龍一訳「種の起源(上)」(岩波文庫、1990年)17頁)。
つまり、種の不変性を否定して、種が、現在の形態、生態になったメカニズムを解明することがダーウィンの意図でした。
生存闘争に有利な変異があればその個体は生き残り、子孫を残す機会に恵まれます。
逆にわずかではあっても生存闘争に有害な変異があればその個体が生き残る機会が減り、子孫を残す機会も減ります。
ダーウィンは、
有利な変異が保存され、有害な変異が棄てさられていくことをさして、私は<自然選択>とよぶ
としています(同書112頁)。
生存闘争において有利な変異が<自然選択>の結果保存された
のです。
生存闘争において有害な変異は<自然選択>の結果棄てさられる
のですから、ダーウィンは、変化できる者が生き残るとは決して言っていないのです。
どう変化したか、が重要なのです。
論理1の正誤
ですから、四コマの論理1は間違った理解ということになります。
☆論理2について
日本が発展するためには憲法改正が必要というのが論理2です。
そもそも、論理2は、論理1を前提としていますから、論理1が間違いである以上、論理2を導くことはできません。
論理2も間違った理解となります。
☆正攻法で議論をしてほしい
ダーウィンを持ち出すのであれば、
国際社会での生存闘争において日本が生き残る(発展する)ために有利な憲法改正をすべきだ、と主張すべきでしょう。
つまり、
どういった内容の憲法改正が、国際社会での生存闘争を勝ち抜くために必要となるのか?を正面から議論すべきです。
単に変化しないと生き残れないから憲法改正をしよう、というのでは中身が何もない憲法改正議論となり無意味どころか有害です。
国民一人一人が、今後の議論のされ方に注意していかなければならないと思います。
---終---
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