歴史も具体的に考えると面白いですね~憲法改正・憲法解釈変更議論の基礎の基礎の基礎 (2)~
2014年7月25日ベルサイユ宮殿
約1,500字(読了≒2分30秒)
- Taka
- 憲法とは何か?
を分かりやすく言うためには・・・
そうだな、やはり歴史的事実から説明した方が良いだろうな。 - RIE
- え~、やっぱり歴史ですか?
でも、それで分かりやすくなるなら良いかもしれませんね。 - Taka
- むかーし、昔のフランスのお話です。
時は、1700年代。
暗黒時代と言われた中世が終り、時代は近代に入っていました。 - RIE
- あの~先輩、紙芝居風で行くんですか?
- Taka
- 中世は宗教的非寛容の時代で、異端審問などにより特定の宗教を信じるしか生きる道はない時代でした。
- RIE
- 無視ですか、そうですか。
まぁいいですけどね・・・ - Taka
- そんな中世の終わりに、中世世界の中心だった“聖書”や“神学”で世界を捉えるのではなく、世界は人間の理性で解明すべきだという啓蒙思想が登場しました。
社会契約論で憲法でも有名な「ジョン・ロック」や「ジャン・ジャック・ルソー」はこの啓蒙思想の中心人物でした。
彼らは、人間の理性は平等だと説いたものですから、その当時まだ存在していた身分制(王制度や貴族制度)に対する批判が第三身分(つまりは平民)から出てくるようになりました。 - RIE
- ちょっと待ってください。
なぜ、そのような批判が出てきたのですか? - Taka
- それは、これまで王様というのは、神様が統治権を下さったという思想、「王権神授説」に基づき正当化されていたんだが、「社会契約論」というのは、おおざっぱに言うと、人間は生まれながらにして生来の権利(自然権)を持っており、その自然権を確実に保障するために社会契約を結んで国家を創るという思想だったんだ。
で、この「社会契約論」は真っ向から「王権神授説」と対立するからなんだよ。 - RIE
- つまりは、王様が権力を行使することができるのは、神様がそう定めたからではないということですね。
権力を行使できるのは人民が契約により権力行使を国家に任せたからというストーリーが1700年代に起こったわけですね? - Taka
- そういうこと。
じゃ、続けるよ。
その当時のフランスは、ルイ16世の統治下にありました。
有名なマリー・アントワネットの夫です。
この時代は、特に理由なく、あるいは何らかの理由をでっちあげられて逮捕され死刑になるということが頻繁に起こっていました。
税金も王様がいつでも自由に取り立てることができるというように、平民にとってはなんとも生きにくい世の中だったのです。
当時の人々は、常に王様の目の色をうかがう人生を強いられていたのです。
考えられますか? - RIE
- いえ、RIEには無理です!
- Taka
- 平民(第三身分)は自分たちの意見を取り入れてもらうように三部会で議論をしました。
- RIE
- はいは~い、先輩 “三部会” ってなんですか?
- Taka
- “三部会” というのは、第一身分の僧侶、第二身分の貴族、そして第三身分の平民が集まった会合のことなんだよ。
- RIE
- どんな人口構成だったんですかね?
- Taka
- 第一身分の僧侶は10万人(約0.39%)、第二身分の貴族は40万人(約1.56%)、第三身分の平民は2500万人(約98%)だったんだ。
- RIE
- 圧倒的に第三身分が多かったんですね。
身分の違いに伴う扱いの違いにはどんなのがあったんですか? - Taka
- 第一身分と第二身分はともに納税義務がなく、第三身分だけが納税義務を負っていたんだ。
- RIE
- え~、ありえな~い。
そんなのがまかり通っていたんだ。
信じられないです。 - Taka
- そういう時代があったんだよな~。
今の価値観からすると理解しがたいけどな。
では、続けます。 - RIE
- (Taka先輩って物語のときの口調が丁寧なんだけど、何故?)
---次話へ続く---