女性専用車両の是非について~【会話で深く理解】~そもそも痴漢する方が悪いんですよ!
2015年4月8日約4000字(読了≠7分)
- RIE
- (え~と、Taka先輩、Taka先輩っと。
先輩の友達に聞いたら”図書館にいるはずよ~”と聞いたわ。間違いなく憲法の書棚にいるわね。)
あっ、いた!
Takaせんぱ~~い。
捜しましたけど、すぐ見つけましたよ~。 - Taka
- し~っ!
ここは図書館だよ?
静かに。 - RIE
- すいません。思わず声がでちゃいました。
あの、今日も先輩に質問があるんです。良いですか? - Taka
- (断る権利は僕にはないもんなぁ)
- RIE
- えっ?
何か言いました? - Taka
- 独り言。
じゃ、そこのロビーに行こう。
で、今日はどういう話? - RIE
- え~と、「女性専用車両の是非」についてです。
- Taka
- 憲法でいうと、アファーマティブアクション(積極的差別解消措置)の問題になるね。
- RIE
- そうですけど、今日は、憲法の話を聞きたいんじゃありません。
「女性専用車両」を設けることについての政策的是非です! - Taka
- 逆にその議論が難しいんじゃないか?
- RIE
- だから、先輩に聞きに来たんじゃないですかぁ。
ということで早速お願いします。 - Taka
- え~と、了解。
じゃあ、まずは、何故「女性専用車両」が設けられたのか?から検討しようか。 - RIE
- それは痴漢被害にあう女性がいるからですよ。
- Taka
- それはそうだね。
しかし、それだけだと乱暴な議論になっちゃうからもう少し詳しく分析しておこうか? - RIE
- 具体的には?
- Taka
- そもそも「女性専用車両」を設けたのは痴漢被害を防ぐためだね。
「女性専用車両」があれば女性は男性からの痴漢被害には絶対に会わない。
確実に痴漢被害を防ぐことができるわけだ。
じゃあ、何故、「女性専用車両」を導入したのか? - RIE
- え~、だって、被害にあいたくないじゃないですか。そのためには、男性と別の車両に乗る必要があります。
- Taka
- それは良く分かるけど、そもそも、たとえ、被害にあっても加害者を処罰することで新たな被害者を出さないようにする手続きが事後的にあるじゃないか!
- RIE
- 強制わいせつ罪(刑法176条)での処罰ですね?
- Taka
- そう。
- RIE
- でも、実効性ないじゃないですか?
だって、痴漢被害にあった女性の9割近くが泣き寝入りしているという統計もあるんですよ「電車内の痴漢撲滅に向けた取組みに関する報告書」。
そもそも被害を訴えでていないんですよ。
被害女性にとっては警察は味方じゃないということです。 - Taka
- RIEちゃん、それは言いすぎだよ!
警察だって痴漢撲滅のために一生懸命頑張っているんだから。 - RIE
- でも、警察に訴えても、逆に二次被害を受けることもあるようですよ。
「そんな恰好をしていたからだ」
とか言われて。 - Taka
- 今はそんなことはないはずだよ。
- RIE
- でも、私達女性にとってはそんな話が耳に入れば警察に訴えることを躊躇しますよ。
その結果が、約9割の被害女性が泣き寝入りをするという結果です。
警察が頼りにならないから、そもそも痴漢被害にあわないための事前防止策が必要になるんです。
その防止策が「女性専用車両」の導入ということだと思います。 - Taka
- そう、そういうことなんだよ。
事後防止策では不十分だから事前防止策として「女性専用車両」を導入したんだ。 - RIE
- でしょ?分かってるんですから。
- Taka
- まずは、「女性専用車両の是非」を議論するには、このことをしっかり押さえておく必要があるんだ。
- RIE
- じゃ、「女性専用車両の是非」を議論するためには、あとどうしたらいいんですか?
- Taka
- 一般論としては、「女性専用車両」があることにより生じる弊害と、被害者を保護するための代替的実効策の有無・実効性の程度の相関関係によるんだ。
- RIE
- つまり、
(1)「女性専用車両」があることで生じる害悪が大きければ大きいほど、「女性専用車両」は廃止すべきという方向に向かうことになるし、
(2)被害者保護のための代替的実効策がない、または実効性が低いほど、「女性専用車両」は存置させるべきという方向に向かうんですね? - Taka
- 考え方の枠組みとしてはそういうことになると思う。
- RIE
- なるほど、じゃあまずは、「女性専用車両」があることでどういう害悪が発生するか?の検討が必要ですね。
「女性専用車両」を導入したことでナニか害悪が発生しているんですか?
RIEには考えられないんですが・・・ - Taka
- 男尊女卑ならぬ、”女尊男卑”だという批判がある。
男性が女性よりも不利益に扱われるという害悪が発生しているというわけだ。 - RIE
- はぁ?
ふざけないでくださいよ!
これまでの人類の長い歴史の中で女性がどれだけ男性に虐げられてきたか。
男の従属物的な扱いをずっとされてきたんですよ、女性は。
それがなんですか、「女性専用車両」を導入したくらいで”女尊男卑”なんて。
男には加害意識がたりないんじゃないですか?
まったく納得できません。 - Taka
- ご、ごめん。
- RIE
- へ?
なんでTaka先輩が謝るんですか? - Taka
- 僕も男だから、男としてなんか申し訳ないかなぁと思って。
- RIE
- あ~、Taka先輩って男で(したね・・・)
- Taka
- え?
- RIE
- いえ、ナンでもないです。
とにかく”女尊男卑”という批判はあたりません。 - Taka
- ま、その評価はさておき、今の批判は男からのものだったが、女性からの批判もある。
- RIE
- えっ?
どんな? - Taka
- 「女性専用車両」があるにもかかわらず、女性が男女混合車両に乗っているということは、痴漢されることに合意していると一部の男から見られるのでかえって痴漢被害にあっている、という批判だね。
- RIE
- え?
意味わかりません。
つまり、「女性専用車両」があるのに、その車両に乗らない女性は痴漢されることに合意しているということですか? - Taka
- うん、そういうこと。
- RIE
- そんなことを考える男がいるんですか?
ホントに意味が分かりませんよ ゛(`ヘ´#)
頭が弱すぎます。 - Taka
- 僕も同意する。
ただ、「女性専用車両」というカテゴリーを設けた以上、その車両を利用しない女性は、痴漢被害にあいたくないという意思は少し弱い、と取られることにはなると思うよ。 - RIE
- バカなんじゃないですか?
そもそも痴漢する方が悪いんですよ。 - Taka
- RIEちゃんの言いたいことは僕も良く分かるよ。
ただ、「女性専用車両」というカテゴリーを設けた以上、さっき言ったみたいに取る男は必ず出てくると思うよ。 - RIE
- 男なんて大嫌いです。
- Taka
- とにかく、「女性専用車両」を導入することで、男女混合車両では痴漢被害がさらに増える可能性が出てきたということだよ。
弊害があるわけだ。 - RIE
- そうだとしても、被害者保護のための実効ある策は、「女性専用車両」以外にないと思いますよ。
- Taka
- なんで?
- RIE
- ”なんで?”って、当然じゃないですか!
男が乗っていない車両ですから、女性が痴漢被害にあうわけないじゃないですか。
これ以上に実効的な痴漢被害防止策はありません! - Taka
- たしかに、これ以上に実効的な痴漢被害防止策はないと僕も思うよ。
- RIE
- でしょ!
だったら、「女性専用車両」は是ですよ! - Taka
- まぁまぁ、ちょっと待って。
今のRIEちゃんの議論は、
”牛刀をもって鶏を割く”議論だよ。 - RIE
- ん?
”牛刀”がなんですか? - Taka
- ・・・
ま、まぁ、もうちょっと副作用の少ない痴漢被害防止策があるんじゃないか?それを考えようということだよ。 - RIE
- そんな策ありますか?
- Taka
- 考えてみる価値はあるんじゃないかな?
- RIE
- それはいいですけど・・・
- Taka
- 男女混合車両のままで女性の痴漢被害を防止することはどうすればできるか?という問いをまずは立てよう。
そして、被害防止策として、事前策と事後策を考えてみよう。 - RIE
- 事後策としは、被害にあった後の話ですから、警察関係の話になりますね。
- Taka
- うん、そうだね。
被害女性が警察に訴えない理由を探ってその理由を1つずつ潰していけば実効性ある事後策を立てることができるよね? - RIE
- それはそうですね。
さっきも話に出ましたけど、被害女性が警察に訴えないのは、警察による二次被害を避けたいことに理由がありましたから、警察による二次被害を防止すればいいわけです。
解決策は、警察が被害者を責めないことです。 - Taka
- そうだね。
具体的には、被害者担当の警察官を被害者と同じ女性にするというのはどうだろう? - RIE
- 被害にあった女性の気持ちを理解できるのは同性ということですね?
でもどうですかね?
被害女性に一番厳しいのは実は同性の女性なんですよ!
思わず、
「そんな格好してるからよ」
とか
「なんで大声出さなかったの?」
とか言っちゃうんですよ。 - Taka
- へぇ~、そんなものなの?
- RIE
- そうですよ~、女性同士というのは怖いんですから。
- Taka
- じゃ、事前策はどうだろう?
- RIE
- なかなか難しそうですねぇ。
男女が同じ車両に乗っていながら痴漢をさせない、というわけですから。 - Taka
- 痴漢バスターズみたいな捜査官を各車両に潜ませるというのはどうだろう?
- RIE
- まぁ、それだと痴漢しようという気は起きないかもしれませんね。
でもそのコストはどうするんですか?
誰が負担するんですかね。
警察ですか?
それとも鉄道会社側ですか?
警察であれば税金ですから国民の負担、
鉄道会社側であればそのコストは運賃に反映されますから鉄道利用者負担、
ということになりますよ。 - Taka
- それはそうなるね。
問題は、痴漢バスターズに税金を投入することに国民が納得をするのか?
痴漢バスターズ費を運賃に反映させることに鉄道利用者が納得するか?にかかってくるだろね。 - RIE
- RIE的には、「女性専用車両」の方が安心できますから「女性専用車両」を是としますけどね。
- Taka
- 色々検討した結果、「女性専用車両」は是だ、というのならいいんじゃないかな?
どういう結論になるかはさておき、議論の筋道をしっかりと押さえて議論をすればかみ合った建設的な議論をすることができると思うよ。 - RIE
- 分かりました~。
先輩も電車に乗るときは気を付けてくださいよ。
くれぐれも加害者にならないように願いしますm(._.)m - Taka
- なっ!
善良な男子に何を! - RIE
- RIEは先輩が善良な男子であると信じていますけどね・・・
- Taka
- お~い、遠くを見ながらそういうことを言うのは止めてくれ~。
誤解されるじゃないかぁぁぁ。 - RIE
- 冗談ですよ、先輩!
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